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工務店の採用がうまくいかない原因5つ|改善策を徹底解説

「求人を出しても応募が来ない」「若手がすぐに辞めてしまう」──こんな悩みを抱える工務店経営者は少なくありません。

国土交通省のデータによれば、建設業就業者の約36%が55歳以上で、29歳以下はわずか11%程度。業界全体で深刻な人手不足と高齢化が進んでいます。特に中小規模の工務店では、大手ゼネコンに比べて採用競争力が弱く、より厳しい状況に置かれています。

しかし、採用がうまくいかない原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、状況は改善できます。本記事では、工務店の採用が難しい背景から具体的な改善策、さらに近年注目されているSNS採用の活用方法まで、実践的な情報を網羅的に解説します。

目次

工務店の採用が難しい背景と現状

工務店の採用難は、業界全体の構造的な問題と、時代の変化による求職者の価値観の変化が複雑に絡み合っています。まずは現状を客観的に把握しましょう。

建設業界の深刻な人手不足データ

建設業界の人手不足は数字で見ても深刻です。厚生労働省の調査では、建設業の有効求人倍率は全産業平均の約1.2倍に対し、約5倍と高水準が続いています。つまり、1人の求職者を5社が奪い合う状態です。

特に技能労働者の不足は顕著で、鉄筋工や型枠工、左官工などの職種では慢性的な人手不足が続いています。国土交通省の推計では、2025年には約90万人の技能労働者が不足するとされており、この傾向は今後さらに加速する見込みです。

工務店にとっては、ただでさえ限られた求職者の中から、自社に合う人材を見つけ出さなければならないという難しい状況にあります。

工務店特有の採用課題

工務店が抱える採用課題は、業界全体の問題に加えて、企業規模による固有の難しさがあります。

給与水準の競争力不足
大手ゼネコンや住宅メーカーと比較すると、中小工務店は給与面で見劣りするケースが多く、求職者の選択肢から外れやすい傾向があります。特に初任給や福利厚生面での差が、若手採用のハードルになっています。

企業認知度の低さ
地域密着で堅実な経営をしている工務店でも、一般の求職者からは「どんな会社か分からない」と思われがちです。ホームページがない、あっても更新されていない工務店も多く、情報発信の不足が認知度の低さにつながっています。

採用ノウハウの不足
大手企業のような専任の採用担当者を置けない工務店では、経営者や現場監督が兼務で採用活動を行うケースが一般的です。そのため採用手法が「知り合いの紹介」「ハローワーク」に偏り、効果的なアプローチができていない現状があります。

若手が建設業を避ける理由

Z世代を中心とする若手求職者が建設業を敬遠する背景には、業界に対するネガティブなイメージがあります。

「3K」イメージの根強さ
「きつい・汚い・危険」という3Kイメージは、実際の現場環境が改善されていても、若手の間で根強く残っています。特にSNSやネットで情報収集する世代にとって、建設業の第一印象は依然としてネガティブなものになりがちです。ただし、このイメージは情報発信の工夫次第で変えられる部分も大きいと言われています。

ワークライフバランスへの不安
長時間労働や休日出勤が多いというイメージから、「プライベートな時間が取れない」「家族との時間が持てない」と敬遠されるケースが多くあります。実際には週休2日制を導入している工務店も増えていますが、その情報が求職者に届いていないのが現状です。

キャリアパスの不透明さ
「この会社で働き続けて、どんなキャリアが築けるのか」が見えにくいことも、若手が応募を躊躇する理由です。技能習得のプロセスや、将来の収入イメージ、マネジメント職へのキャリアアップなど、具体的な将来像を示せていない工務店が多いのが実情です。

工務店の採用がうまくいかない主な原因

採用活動がうまくいかない背景には、業界全体の課題に加えて、各工務店の具体的な問題があります。ここでは改善可能な主な原因を解説します。

求人情報の魅力不足

多くの工務店の求人票を見ると、「給与・勤務時間・休日」といった基本情報だけが淡々と並んでいるケースが目立ちます。これでは他社との差別化ができず、求職者の心を掴むことはできません。

具体性のない仕事内容
「一般住宅の施工」「リフォーム工事」といった抽象的な記載では、実際にどんな仕事をするのかイメージできません。「年間○棟の注文住宅を手掛け、設計から引き渡しまで一貫してサポート」のように、具体的な業務内容と規模感を示すことが重要です。

給与以外の魅力が伝わらない
給与は確かに重要ですが、それだけで差別化するのは困難です。「職人技術をじっくり学べる環境」「地域の景観を守る誇り」「お客様の笑顔を直接見られるやりがい」など、その工務店ならではの魅力を言語化できていないケースが多くあります。

ターゲット不明確な訴求
「未経験歓迎」と書きながら、実際には経験者を優遇する。あるいは若手を採りたいのに、求人内容が中堅社員向けになっている──このようなミスマッチが、応募者の混乱を招き、結果的に誰にも響かない求人になっています。

採用チャネルの固定化

「求人といえばハローワーク」「昔からお世話になっている求人誌」──このような固定化した採用チャネルでは、リーチできる求職者層に限界があります。

ハローワーク依存のリスク
ハローワークは無料で求人を出せる有効な手段ですが、それだけに頼るのは危険です。特に若手層は、まずネットで情報収集してから具体的な行動に移る傾向が強く、ハローワークだけでは彼らにアプローチできません。

紙媒体の求人効果の低下
地域の求人情報誌やフリーペーパーは、かつては有効な採用手段でしたが、スマホネイティブ世代にはほとんど届きません。総務省の調査では、10代~20代のスマホ保有率は95%を超える一方、紙媒体への接触時間は年々減少しています。

口コミ・紹介のみに頼る危険性
既存社員や知人からの紹介採用は、確かにミスマッチが少なく効率的です。しかし、それだけでは採用の幅が広がらず、似たタイプの人材ばかりが集まる「同質化」のリスクがあります。また、紹介に頼りすぎると、紹介がない時期には採用活動が完全にストップしてしまいます。

職場環境の情報発信不足

「うちは働きやすい職場なのに、なぜ応募が来ないのか」──そう感じている経営者は多いでしょう。しかし、その「働きやすさ」が外部に伝わっていなければ、求職者は知りようがありません。

実際の職場の雰囲気が見えない
ホームページに施工事例は載っていても、「どんな人が働いているか」「職場の雰囲気はどうか」が分からない工務店がほとんどです。求職者は「自分がここで働く姿」をイメージできなければ、応募に踏み切れません。

社員の声や実態が伝わらない
「残業少なめ」と書いてあっても、実際に働く社員の声がなければ信憑性に欠けます。「入社3年目の○○さんは、週末は必ず家族と過ごしています」のような具体的なエピソードがあると、求職者の安心感につながります。

改善の取り組みが発信されていない
「週休2日制を導入した」「資格取得支援制度を始めた」「新しい工法を採用して作業効率が上がった」──こうした前向きな取り組みを発信できていない工務店が多くあります。改善努力を可視化することで、「この会社は変化している」「働く環境が良くなっている」というポジティブなイメージを与えられます。

よくある失敗パターン:情報発信の偏り
工務店のホームページやSNSを見ると、施工事例やイベント情報ばかりで、採用情報はほとんど更新されていないケースが多く見られます。顧客向けの情報発信と採用向けの情報発信は、ターゲットが異なるため、別々に戦略を立てる必要があります。

今すぐ実践できる採用改善策

ここまで見てきた原因を踏まえ、具体的にどんな改善策を取るべきか解説します。すぐに実践できるものから、中長期的に取り組むべきものまで、段階的に紹介します。

求人票の見直しポイント

求人票は求職者との最初の接点です。ここでの印象が悪ければ、どんなに良い会社でも応募には至りません。以下のポイントを見直しましょう。

具体的な数字で仕事内容を示す
抽象的な表現を避け、できるだけ数字で表現します。

  • ❌「地域密着の工務店です」
  • ✅「創業45年、年間25棟の注文住宅を手掛ける地域密着の工務店です」
  • ❌「リフォーム工事を行います」
  • ✅「月平均8件のリフォーム工事を担当。キッチン・浴室などの水回りが中心です」

1日の仕事の流れを具体的に記載
「8:00 朝礼・安全確認」「9:00 現場作業開始」「12:00 昼休憩」といった形で、実際の働き方をイメージしやすくします。残業についても「繁忙期(3-5月)は月20時間程度、閑散期は月5時間程度」のように、正直かつ具体的に記載することで、信頼感が生まれます。

求める人物像を明確に
「未経験歓迎」だけでは不十分です。

  • 「建築の知識ゼロでもOK。丁寧な指導で一人前に育てます」
  • 「手に職をつけたい20代の方、じっくり技術を学びたい方歓迎」
  • 「経験者の方は即戦力として活躍できる環境があります」

このように、どんな人に来てほしいか、その人がどう活躍できるかを具体的に示します。

福利厚生・教育制度の詳細を記載
「社会保険完備」だけでなく、独自の福利厚生や教育制度があれば詳しく記載します。

  • 資格取得支援制度(費用全額会社負担、取得時の報奨金制度)
  • 研修制度(入社後3ヶ月の実地研修、外部セミナー参加支援)
  • 社員旅行や親睦会などの社内イベント
  • 工具や作業着の貸与・支給制度

こうした具体的な情報は、他社との差別化につながります。

SNS採用の活用方法

近年、建設業界でもSNSを活用した採用が成果を上げています。特にTikTokとInstagramは、若手層へのアプローチに効果的です。

TikTokの特徴と活用法
TikTokは10代~20代の利用率が高く、短尺動画で「現場のリアル」を発信するのに適しています。

  • 現場の作業風景(タイムラプス、ビフォーアフター)
  • 職人技術の紹介(道具の使い方、技のコツ)
  • 社員インタビュー(入社の決め手、やりがい)
  • 1日の仕事の流れ(ルーティン動画)

特に「知られざる職人の世界」や「プロの技」系のコンテンツは、エンタメ要素もあり、採用目的以外のユーザーにも広く届きやすい特徴があります。結果的に認知度向上にもつながります。

Instagramの特徴と活用法
Instagramは写真メインで、より丁寧に会社の雰囲気や文化を伝えるのに適しています。

  • 施工事例の紹介(完成写真、こだわりポイント)
  • 社員紹介(顔写真付きプロフィール、趣味や人柄)
  • 社内イベントの様子(親睦会、安全大会)
  • 採用情報(求人内容、応募方法)

ストーリーズ機能を使った「Q&A」や「アンケート」で、フォロワーと双方向コミュニケーションを取ることで、親近感を持ってもらえます。

SNS活用時の注意点

  • 顔出しNGの社員への配慮を忘れずに
  • 安全配慮を怠った投稿は炎上リスクがあるため、現場での撮影ルールを明確に
  • 「バズらせる」ことよりも「自社の魅力を正しく伝える」ことを優先
  • 定期的な更新が重要。月1回程度の投稿では効果が薄い

実際の成功事例
ある地方の工務店では、TikTokで「現場監督の1日」や「若手大工の成長記録」を発信したところ、6ヶ月で1万フォロワーを獲得。投稿を見た20代の求職者から直接DMで応募が来るようになり、3名の採用に成功したケースがあります。

採用ブランディングの構築

短期的な施策と並行して、中長期的に取り組むべきが「採用ブランディング」です。これは「この会社で働きたい」と思われる魅力を、戦略的に構築・発信していく取り組みです。

自社の強みの言語化
まずは自社の強みを明確にします。社員アンケートを取ると、意外な魅力が見えてきます。

  • 「社長との距離が近く、意見を言いやすい」
  • 「資格取得を全力で応援してくれる」
  • 「地域のお客様との関係が深く、感謝される機会が多い」

こうした「社員が実感している魅力」を言語化し、外部に発信していきます。

採用サイトの整備
自社ホームページ内に採用専用ページを設けるか、採用サイトを別途作成します。最低限、以下の情報は掲載しましょう。

  • 代表メッセージ(会社のビジョン、求める人物像)
  • 社員インタビュー(複数名、様々な立場・年代)
  • 仕事内容の詳細(職種別、1日の流れ)
  • 福利厚生・教育制度
  • よくある質問(Q&A)
  • 応募方法・選考フロー

地域との連携強化
地域の高校や専門学校とのパイプを作り、職場見学やインターンシップを受け入れることで、地元の若手との接点を増やせます。「地域に根ざした会社」というブランドイメージも強化できます。

既存社員の満足度向上
最も効果的な採用ブランディングは、既存社員が「この会社で働いて良かった」と心から思える環境を作ることです。社員の満足度が高ければ、自然と口コミが広がり、紹介採用も増えます。

  • 定期的な1on1ミーティングで社員の声を聞く
  • 資格取得や技能向上をサポートする制度を整える
  • 働きやすさを重視した業務改善(ICT活用、効率化)
  • 適正な評価と昇給の仕組みを明確にする

まとめ

工務店の採用がうまくいかない原因は、業界全体の人手不足という外的要因だけでなく、求人情報の魅力不足、採用チャネルの固定化、職場環境の情報発信不足といった改善可能な内的要因が大きく影響しています。

改善の第一歩は、自社の求人票を見直し、具体的で魅力的な情報発信を行うこと。そして、ハローワークや紙媒体だけに頼らず、TikTokやInstagramなどのSNSも活用して、若手層にリーチすることが重要です。特にTikTokは、現場のリアルな雰囲気を短尺動画で発信でき、10代~20代への訴求力が高いツールとして注目されています。

中長期的には、採用ブランディングを構築し、「この会社で働きたい」と思われる魅力を戦略的に発信していくことが、持続的な採用成功につながります。

自社だけでSNS運用や採用ブランディングを進めるのが難しい場合は、建設業界の採用支援に強い専門家に相談するのも一つの方法です。株式会社バズアイでは、建設業・工務店に特化したTikTok運用代行や採用支援の実績があります。無料相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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進藤 創(Shindo Hajime)

建設業の採用DXとSNSマーケティングに特化したバズアイの採用クリエイティブディレクター。

建設会社・工務店・土木事業者を中心に50社以上の採用改善に従事し、TikTokを活用したショート動画採用導線を設計。スマホ1台で再現可能な採用運用モデルを構築し、求人媒体依存からの脱却・若手応募率向上・採用単価の最適化を支援している。

  • TikTok採用 / 動画求人設計
  • 若手応募導線(LINE・SNS連動CVR設計)
  • 施工管理・現場系の採用戦略
  • SNS運用代行 / 企画〜編集〜投稿PDCA

執筆スタンス

現場で通用する施策のみをデータで公開し、机上の理論ではなく現場に落ちる再現性を最優先とする。

荒木 雄登(Araki Yuto)

SNS領域で年間120社以上の改修を担当してきたSNS設計スペシャリスト。

建設業・製造・物流領域のSNSと媒体改善に精通し、求人×SNS採用の運用基準を監修。本記事の内容が実務・成果・再現性の観点で適性を持つことを検証。

数値根拠・再現性のエビデンス

本記事で示している応募率・採用単価・初期成果の数値は、複数の建設会社アカウントのデータを集計し傾向を分析した値です。

参考指標(平均〜上位事例)
  • 5万再生=平均応募1〜3件
  • 20代比率=応募の約7〜8割
  • 採用単価=媒体の1/3以下に圧縮可能
  • 初回応募発生=最短2週間の実例あり

※保証値ではなく、投稿頻度(週3〜5)×導線設計×現場の見える化が揃った場合の傾向値。

運用体制・品質担保プロセス

成果の再現性を確立するため、以下の運用フローで品質を統一しています。

  • 棚卸しシート作成(魅力の言語化)
  • 撮影/企画テンプレート設計(属人性排除)
  • 明るさ・構図・セリフ設計など撮影ガイドライン化
  • 編集チェック(情報密度/テンポ/視聴維持率)
  • 初期30日でPDCA→成功角度の型化
  • LINE誘導率・問い合わせ導線を定量測定

属人的な“センス依存”にせず、誰が運用しても成果が再現しやすい設計として管理している。

情報の取り扱いと免責

掲載している成果・データは支援実績に基づきますが、効果の大小は企業の条件・施工内容・職種により変動します。導入判断には無料診断をご活用ください。

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